店舗のDX

店長にしか
シフトが組めない

属人化は、店長の能力の問題ではありません。
紙に書かれていないルールが多すぎるだけです。

株式会社コホマダ 代表取締役 髙松直弥
鳥取県海外よろずビジネスサポート駐在員

多店舗を持つ会社で、シフト作成の話をすると、必ず同じ言葉が出てきます。

「あの店は、店長じゃないと組めないんですよ」

本部から見ると、これは困った状態です。店長が休めない。異動させられない。辞めたら回らない。ところが店長本人に聞くと、特別なことは何もしていないと言います。両方とも本当です。

属人化の正体

シフト表に現れているのは、時間と名前だけです。しかし店長は、そこに書かれていない条件を十数個、同時に満たしています。

1

時間帯ごとの必要人数

これは唯一、文書になっていることが多い条件です。それでも「雨の日は少なくていい」「月末は多め」といった補正が、頭の中に入っています。

2

その仕事ができる人が、必ず1人

買取査定、レジ締め、鍵の開閉、資格が要る業務。「誰でもいい1人」ではなく「この人でなければならない1人」が、時間帯ごとに必要です。

3

人の組み合わせ

新人とベテランを組ませる。逆に、同じ時間に入れない組み合わせもあります。理由は説明されないまま、店長の中だけにあります。

4

希望の裏側

提出された希望には「本当は入りたくない日」が混ざっています。店長は、それを言葉にしないまま読み取っています。

シフト表は結果です。
判断は、どこにも書かれていません。

だから、ツールを入れても定着しない

市販のシフト管理ツールは、よくできています。それでも導入した店舗が元の作り方に戻ることがあるのは、次の2つが起きるからです。

設定を、店長が自分で入れなければならない。必要人数、スキル、上限時間。忙しい店長が、これを全部入力して覚える時間はありません。結果として、機能の一部しか使われません。

スタッフ全員に、新しいアプリを入れてもらう必要がある。100人規模の店舗では、これだけで大仕事です。登録しない人が数人出た時点で、店長は結局、紙とスマホの両方を見ることになります。

先に決めるのは「自動化の範囲」ではない

自動化を検討するとき、多くの会社は「どこまで自動でできるか」から入ります。順番が逆です。先に決めるべきは、最後に人が判断する場所です。

機械に向いていること

条件を満たす組み合わせを大量に試すこと。人数の過不足を見つけること。上限時間を超えていないか確認すること。ここは人間より速く、間違えません。

人に残すこと

誰を優先するか。今月は誰に多く入ってもらうか。険悪な組み合わせを避けること。最終決定は店長、という線を先に引いておくと、現場は受け入れます。

効果は「時間」で測る

導入の判断材料としていちばん強いのは、機能の数ではありません。店長がシフト作成に使っていた時間が、何時間から何時間に減ったかです。

この数字は、導入前に測っておかないと出せません。ところが、ほとんどの会社が測っていません。「なんとなく大変」は、社内稟議では材料になりません。

測り方は単純です。次の3つを1か月分だけ記録します。

3つ目が、意外なほど大きいことがあります。シフト作成そのものより、作った後の調整に時間が溶けている店舗は珍しくありません。

段階を分ける

一度に全部を変えようとすると、現場が止まります。順番はこうです。

第1段階だけで、店長の作業時間は大きく減ります。そして第1段階の数字が出てはじめて、第2段階以降の予算が通ります。

シフト作成の属人化でお困りの方へ

いまの集め方と、店長の作業時間を伺えれば、どこから手をつけるべきかを整理してお返しします。

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