海外企業の日本駐在代表と話していると、驚くほど共通する悩みに行き当たります。本業ではなく、情報収集そのものに時間が溶けているという悩みです。
海外企業が日本市場に足がかりを作るとき、最初に置かれるのはたいてい一人の駐在代表です。本社の後ろ盾はあっても、現地では実質ワンオペ。そういう方と話すたびに、同じ言葉を聞きます。
「毎日、海外のニュースを追うだけで午前中が終わる」
ある海外エネルギー企業の日本代表は、自国・近隣国・欧米の業界動向を一日2時間半かけて収集していると話していました。プロンプトを1か月かけて練り上げ、毎朝それをコピー&ペーストして情報を集め、まとめ、そこから提案書の材料を作る。これを一人で、来る日も来る日も続けています。
理由は単純です。本社は日本の状況を知らず、現地の駐在員以外に情報を拾える人がいないからです。
本国の同僚に「日本の状況を教えて」と聞かれても、答えられるのは自分だけ。だから毎日、自分で情報を集め続けるしかありません。しかも情報は一度集めて終わりではなく、日々更新しなければ提案の説得力が落ちます。
本来やるべき仕事は、交渉と関係構築のはずです。情報収集は、その手前の準備作業にすぎません。
結論から言うと、情報収集・要約の部分は自動化に向いています。実際に話を聞いた駐在代表のケースでは、6〜7割は自動化できる見立てでした。
完全な自動化を目指す必要はありません。むしろ、そこを狙うとうまくいきません。手間のかかる収集と整形をAIに任せ、判断と交渉に人の時間を使う——この切り分けが現実的です。
日本駐在の実質ワンオペ体制は、多くの海外企業に共通する構造です。情報収集に時間を取られること自体は、担当者の能力の問題ではなく、体制の問題です。
まず自分の業務のどこにどれだけ時間がかかっているかを言語化し、そのうち機械的に処理できる部分から任せていく。それだけで、本来使うべき交渉や関係構築の時間を取り戻せます。
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