海外 → 日本
海外の体験コンテンツが、
日本の施設に入らない理由
中身が劣っているからではありません。
買い方が違うまま、話が進まないだけです。
海外 → 日本
中身が劣っているからではありません。
買い方が違うまま、話が進まないだけです。
日本の体験型施設は、慢性的にコンテンツを探しています。VR施設、アミューズメント、複合レジャー、フィットネス。どこも「新しい体験がほしい」と言います。
一方、海外には施設向けに出せるコンテンツが余っています。それでも両者はなかなか出会いません。理由は品質ではなく、条件の噛み合わせです。
海外の開発元は、施設からの売上分配(レベニューシェア)を前提に話を始めることが多いです。ところが日本の施設は、買い切りを強く好みます。
理由は単純で、毎月の報告が要らないからです。何人が遊んだか、いくら売れたかを毎月集計して送る作業は、現場にとって純粋な負担です。金額が同じなら、「一度払えば、あとは自由に使える」ほうが選ばれます。
条件を変えただけで通る話が、
条件のまま止まっています。
「英語のままでも雰囲気で遊べる」は、施設側の答えにはなりません。お客様からの問い合わせに現場が答えられないからです。
ただし、必要な範囲は思われているより狭いこともあります。操作に関わる文字さえ日本語になっていれば足りるケースは多く、音声の吹き替えまでは求められないことがあります。ここを確認せずに「ローカライズは高い」と諦めている会社が少なくありません。
施設の担当者が最初に見るのは、中身より運用です。
日本の施設は10〜20分の枠で売っていることが多く、その長さに収まらない体験は、そもそも棚に置けません。
PCが要るのか、単体のヘッドセットで動くのか。広い部屋が要るのか、小さなブースでいいのか。ここで導入コストが一桁変わります。
時差のある海外の開発元に英語で連絡する、という体制では通りません。日本側に窓口があるかどうかを必ず聞かれます。
施設の判断基準は、驚くほど実務的です。1時間に何人通せるか。スタッフが何人つくのか。体験の前後に何分かかるか。面白さは前提で、その上で回せるかどうかが問われます。
海外の開発元が用意する資料は、たいてい体験の魅力を伝えることに集中しています。日本の施設に出すなら、資料の半分は運用の話であるべきです。
ひとつ、はっきりしていることがあります。施設の担当者は、映像で判断します。長い企画書より、実際の体験が1〜2分で分かる動画のほうが、話が早く進みます。
そのうえで、上の4点を短くまとめた1枚があれば、最初のやり取りはほぼ足ります。
買い切りの条件を用意する。操作に関わる文字の日本語化。体験時間の調整可否。機材と必要な広さ。日本側の窓口。
1時間あたりの回転数。スタッフの必要人数。導入にかかる機材費。トラブル時に誰が何時間以内に動くか。
ここまでの条件は、どれも難しいものではありません。それでも噛み合わないのは、両者の言葉と前提が違うまま、直接やり取りしているからです。
海外の開発元は日本の施設運営を知らず、日本の施設は英語での交渉を避けます。その間で、条件を翻訳して整える人がいれば、多くの案件は動きます。弊社がやっているのは、その部分です。