海外展開

認証がないから
輸出できない、は本当か

先に取るべき場合と、取ってはいけない場合があります。
順序を間違えると、費用だけが先に出ます。

株式会社コホマダ 代表取締役 髙松直弥
鳥取県海外よろずビジネスサポート駐在員

海外展開の相談で、最初に出てくるのが認証の話です。「認証がないと売れないと言われた」「まず取るべきか」。

結論から言うと、相手と国が決まる前に取ると、外れることがあります。

要件は、国ではなく「売り先」で決まる

同じ国に輸出する場合でも、要求される水準は売り先で変わります。

大手小売・量販

自社基準の監査があり、公的な認証に加えて独自要件を求められることが多い

専門店・EC・飲食

法定の要件を満たしていれば足りることがある

つまり「どの国か」だけでは決まりません。誰の棚に置くのかで、必要なものが変わります。

売り先が決まる前の認証取得は、
当たることもあるが、賭けです。

判断の順序

1

法定要件と、取引先要件を分ける

法律で必須のもの(表示、成分、検疫、電気安全など)は、相手が誰でも避けられません。ここは先に調べる。

一方、取引先が求める認証は交渉対象です。「これから取得する」で商談が進むことも多い。最初から持っている必要はありません。

2

相手に直接聞く

最も確実で、最も使われていない方法です。「御社の取引開始にあたって、必須の認証と、あると望ましい認証を教えてください」と聞く。

相手は自社の基準を持っているので、即答できます。推測で数百万円を使う前に、一通のメールで確認できます。

3

取得の順番を、売上の順番に合わせる

複数の国を狙うなら、最初に売れる可能性が高い国の要件から取る。全部を並行して取ろうとすると、費用も工数も持ちません。

認証は取得して終わりではなく、維持審査と更新に継続的な費用がかかります。使っていない認証を持ち続けるのは、純粋な損失です。

「取れない」と「取っていない」は違う

海外の担当者が本当に気にしているのは、認証の有無そのものより「この会社は要件を理解しているか」です。

未取得でも、どの認証が必要かを把握していて、取得の見込みと期間を説明できる会社は信用されます。逆に、認証を持っていても要件の背景を説明できない会社は、審査で詰まります。

補助金を使う場合の注意

認証取得には補助金が使えることがあります。ただし公募の時期が決まっていて、年度の予算で動きます。思い立った時点で申請できるとは限りません。

そして補助金には実績報告の義務が付きます。取得が目的化すると、使わない認証を維持し続けることになります。売り先の見込みと、取得の順序を先に決めてから使うべきものです。

私の立ち位置について

東京で株式会社コホマダを経営し、日本の県の海外ビジネス支援駐在員という公職を務めています。公的な支援の現場と民間の商談の両方に関わっているため、認証をめぐる判断がどこで空回りするかを見ています。

なお、認証そのものの審査や取得代行は行っていません。取るべきか、いつ取るか、誰に聞くべきかの整理までが私の役割です。

認証の要否で止まっている方へ

製品と狙っている国・売り先を伺えれば、今すぐ要るもの、後で足りるもの、聞くべき相手を整理してお返しします。

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