海外展開
認証がないから
輸出できない、は本当か
先に取るべき場合と、取ってはいけない場合があります。
順序を間違えると、費用だけが先に出ます。
海外展開
先に取るべき場合と、取ってはいけない場合があります。
順序を間違えると、費用だけが先に出ます。
海外展開の相談で、最初に出てくるのが認証の話です。「認証がないと売れないと言われた」「まず取るべきか」。
結論から言うと、相手と国が決まる前に取ると、外れることがあります。
同じ国に輸出する場合でも、要求される水準は売り先で変わります。
自社基準の監査があり、公的な認証に加えて独自要件を求められることが多い
法定の要件を満たしていれば足りることがある
つまり「どの国か」だけでは決まりません。誰の棚に置くのかで、必要なものが変わります。
売り先が決まる前の認証取得は、
当たることもあるが、賭けです。
法律で必須のもの(表示、成分、検疫、電気安全など)は、相手が誰でも避けられません。ここは先に調べる。
一方、取引先が求める認証は交渉対象です。「これから取得する」で商談が進むことも多い。最初から持っている必要はありません。
最も確実で、最も使われていない方法です。「御社の取引開始にあたって、必須の認証と、あると望ましい認証を教えてください」と聞く。
相手は自社の基準を持っているので、即答できます。推測で数百万円を使う前に、一通のメールで確認できます。
複数の国を狙うなら、最初に売れる可能性が高い国の要件から取る。全部を並行して取ろうとすると、費用も工数も持ちません。
認証は取得して終わりではなく、維持審査と更新に継続的な費用がかかります。使っていない認証を持ち続けるのは、純粋な損失です。
海外の担当者が本当に気にしているのは、認証の有無そのものより「この会社は要件を理解しているか」です。
未取得でも、どの認証が必要かを把握していて、取得の見込みと期間を説明できる会社は信用されます。逆に、認証を持っていても要件の背景を説明できない会社は、審査で詰まります。
認証取得には補助金が使えることがあります。ただし公募の時期が決まっていて、年度の予算で動きます。思い立った時点で申請できるとは限りません。
そして補助金には実績報告の義務が付きます。取得が目的化すると、使わない認証を維持し続けることになります。売り先の見込みと、取得の順序を先に決めてから使うべきものです。
東京で株式会社コホマダを経営し、日本の県の海外ビジネス支援駐在員という公職を務めています。公的な支援の現場と民間の商談の両方に関わっているため、認証をめぐる判断がどこで空回りするかを見ています。
なお、認証そのものの審査や取得代行は行っていません。取るべきか、いつ取るか、誰に聞くべきかの整理までが私の役割です。