海外展開
サンプルを送ったのに
連絡が来ない
商品が悪かったとは限りません。
多くは、送る前に決めていなかったことが原因です。
海外展開
商品が悪かったとは限りません。
多くは、送る前に決めていなかったことが原因です。
相手が「サンプルを見たい」と言った。急いで手配し、関税も自社で負担して送った。そして、それきりです。
一か月後に確認のメールを送る。「まだ評価中です」。さらに一か月。返事が来なくなる。
海外の担当者にとって、サンプルを頼むことのコストはほぼゼロです。無料で届き、断る義務もない。つまり「送ってほしい」は、興味の最低ラインでしかありません。
日本側はここを取り違えます。サンプル依頼を「かなり脈がある」と読み、社内でも期待値を上げてしまう。その差が、後の落胆になります。
送った時点では、まだ何も始まっていません。
品質管理部門が規格を見るのか、バイヤーが味や質感を見るのか、経営層が価格込みで判断するのか。評価者が違えば、送るべき物も、添える資料も変わります。
この質問は失礼ではありません。むしろ「ちゃんとした会社だ」と受け取られます。
「評価には通常どれくらいかかりますか」と聞いておく。答えが出れば、その日付を過ぎてから連絡する根拠になります。期限を聞いていないと、催促が「急かしている」ことになってしまう。
最も重要です。「良ければ、その次は何を決めますか」と先に聞く。
ここで答えが曖昧な相手は、社内で稟議を通す段取りを持っていません。サンプルを見たいだけの相手と、買う道筋を持っている相手は、この質問で分かれます。
同梱するものを揃えておくと、相手の社内で回覧されやすくなります。
製品仕様書(現地語か英語)。保管と使用の条件。該当する認証や試験結果。価格の帯と最小ロット。担当者名と返答の目安。
サンプルだけが届くと、受け取った人は誰に見せればいいか分かりません。資料が揃っていると、その場で次の人に渡せます。社内を移動する速度が変わります。
相手が三つの質問に答えられない場合、送らないほうがよいこともあります。
国際便の送料、関税、通関書類、そして何より社内の期待値。これらを費やす前に、「評価の段取りが決まったら送ります」と伝えて待つ。本気の相手なら、段取りを作って戻ってきます。
冷たい対応に見えますが、実際は逆です。相手の社内でも、評価者の時間を確保する必要があるからです。段取りを一緒に作る姿勢は、信頼として受け取られます。
期限を過ぎても連絡が無い場合、追う回数は決めておきます。二週間後、一か月後、三か月後。この三回で反応が無ければ、いったん閉じる。
ただし閉じ方が重要です。「ご縁がなく残念です」で終わらせず、「状況が変わったら教えてください」と置いておく。海外の担当者は異動が多く、半年後に別の案件で戻ってくることがあります。
東京で株式会社コホマダを経営し、日本の県の海外ビジネス支援駐在員という公職を務めています。日本企業の海外展開と、海外企業の日本参入の両方に関わっているため、サンプルが社内でどう扱われ、どこで止まるかを双方の側から見ています。